絵本は同じ本を繰り返し読むほうが良い理由

勉強録

最近えんとつ町のプペルが映画化されて絵本が再注目されておりますが、私もおはぎちゃんが生まれてから早速絵本を何冊か買いました!

キングコングの西野さんも「主婦は忙しいし、金銭的にも外れの絵本を買いたくないので自分が昔読んでいた絵本を買う傾向にある」とおっしゃっていましたが、たしかに意外と絵本選びは悩むなぁと実感していますし、そう感じている奥様も多いのではないでしょうか。

最初は何も考えずに「なるべく色々な種類の絵本を買ったほうがいいのなぁ」と考えていたのですが、どうやら絵本の読み聞かせにおいて重要な点はそこだけではないようなんです!

というわけで、本日は「同じ絵本を何度もくり返し読み聞かせる事の重要性」について勉強してみたので紹介したいと思います!

point① ワーキングメモリとは

文献を紹介する前に、ワーキングメモリ(以下WM)という言葉を紹介します。WMは、短い時間に心の中で情報を保持し,同時に処理する能力のことを指します。会話や読み書き,計算などの基礎となる,私たちの日常生活や学習を支える重要な能力なんです。

このWMの機能が弱いと下記のような困りごとが起こりえます。

  • 情報を脳内に書き留めておくことが苦手なため、必要なことを忘れてしまいやすくなる
  • 情報の整理が苦手だと、入ってきた情報の中で何に注意すればよいのかがわからず混乱してしまう、場違いな言動をしてしまう
  • 記憶の削除が苦手な場合は、新しい情報を取り入れにくく、行動の切り替えや連続的に会話を続けることが難しくなる

普段生活していく中で無意識にやっていることですが、このWMは学業成績との関連でも,就学前の WM 能力が入学後の様々な科目の成績を長期的に予測し,IQ との比較においても WM の方が予測力に優れていることから,幼児期の WM が重視されつつあるようです。

参考:https://h-navi.jp/column/article/35026645

ポイント②絵本は同じ本を繰り返し読むほうが良い

文献では、就学前の読み聞かせが語彙力だけでなく WM の向上につながるのではないかと考え,実証的に検討をおこないました。

方法:5、6歳を対象とした園児を3つのグループにわけ、集団読み聞かせを半年間行う。

第1グループ:反復あり・付箋あり(同じ絵本を複数日にわたり計画的に反復して読み聞かせることと,その中で文章の一部に付箋を貼り,その部分の記銘と想起を子どもに促すことをおこなった.)

第2グループ:同一絵本の反復のみを施した反復あり・付箋なし

第3グループ:反復なし、付箋なし

結果:第3グループでは、実施後の時点で単語定義課題の伸びが見られなかったが,第1・2グループではその成績が有意に上昇していた。これは,通常おこなわれているような読み聞かせとは異なり,同じ本を短期間繰り返し読み聞かせることが,語彙力の向上につながる可能性を示している。

最初は絵に注目していても、繰り返し同じ絵本を読むことで絵よりも言葉のほうに注目し、結果語彙力が伸びたようです。

家庭での読み聞かせは週1回以上が良い

この文献では、家庭での読み聞かせの頻度についても分析しています。

家庭での読み聞かせ頻度を高頻度(週1回~毎日)と低頻度(月3回以下~ほとんどしていない)で分けたところ、WM に関しては高頻度群のみが読み聞かせ期間内に向上する傾向が認められました。

高頻度群においては、家庭での読み聞かせの影響からすでにある程度、語彙力の基盤や短期記憶の能力が備わっていたため、読み聞かせの効果がより高度な物語理解へと及ぶようになり、それに関わるWM の向上が促されたのではないかと推測されます。
物語を聞きながらその内容をおぼえ、理解するのは WM が必要となる並列作業でありますが、そうした作業の前提となる能力が一定程度備わった子どもが、読み聞かせにより WM を向上させる可能性があるそうです。

参考文献:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjet/43/4/43_43051/_pdf

今日の勉強録

「絵本の読み聞かせは、週1回以上行い絵本は繰り返し読むほうが良い」

様々な種類の絵本を読ませることで得られる効果もあるとは思いますが、私自身ワーキングメモリの容量が足りないなと実感することが多いので、おはぎちゃんには同じ絵本の読み聞かせを実践してみたいと思います(笑)

ちなみにベネッセ教育総合研究所によると、就学前の絵本の読み聞かせの頻度は4~5歳から低下するようなので、手を抜かずに読み聞かせを続けていきたいとこですね^^

私も読み聞かせ頑張りまーす!

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